2030年ってどんな未来?

 HASとは「Happy & Healthy Aging Scene」の略語です。2030年の幸せで健康な高齢化社会を想定し、必要とされるソリューション(モノづくり、コトづくり)をHAS会員企業が自らの得意技を活かして新たなビジネスを多数輩出することを目的としています。

2030年超高齢社会の予測データと「あるべきシーン」

予測データ 2030年の超高齢社会の「あるべきシーン」
1. 人口構成
□高齢化率:31.6%
 ・約3人に1人が65歳以上(24%【2012年】)
・3人に1人が高齢者で、高齢者が幸せで快適な生活ができている
・高齢者向けの各種事業から多くの雇用が生まれ多世代が幸せに暮らしている
2. 高齢者世代の比率
□一人の高齢者に対し1.8人の現役世代
 ・各種社会保障制度の破たん
・現役世代に負担の大きい社会保障制度ではなく、元気な高齢者も相応の負担をする社会保障制度が確立され、自助・互助の活動も活発に行われている
3. 平均寿命
□男女ともに80歳以上に
 ・女性:88.68歳
 ・男性:81.19歳
・平均寿命の延び以上に健康寿命が延びていて、生きがいを持った元気な高齢者が多くなっている
(女性[平均寿命:86.61歳・健康寿命:74.21歳] 
男性[平均寿命:80.21歳・健康寿命:71.19歳]
【2013年】)

2030年の高齢者を取り巻く環境と「あるべきシーン」

1.高齢者の特性とニーズ 2030年の超高齢社会の「あるべきシーン」
1. からだの特性
□高齢者の健康
 ・8割は元気な高齢者
 ・健康寿命を延ばし自立期間を長くすることが重要
 □介護
 ・要介護等の認定を受けている高齢者の90%は75歳以上
 ・「老老介護」の問題
 ・介護を受けたい場所:自宅が4割
・自立可能な健康寿命が延びている
・介護が必要になった場合のケアシステムが確立されている
2. 社会生活の特性
2-1.家族と暮らし

□高齢者の家族と世帯
 ・高齢者の「単独」「夫婦のみ」の世帯が20%を超えている
□一人暮らし高齢者が増加
 ・2030年:女性23%男性15%が高齢者の1人暮らし
・高齢者の単独世帯が大幅に増え4割を超えている。特に一人暮らしの高齢者世帯がその半数を占める中、暮らしやすくリフォームした住宅や、コミュニティの充実した集住の生活を送っている
2-2.対人環境□高齢者の会話の頻度、頼れる人
 ・独居高齢者は会話の頻度、頼れる人ともに少ない。
□一人暮らしと孤立死
 ・独居高齢者は孤立死の恐れも多い
・一人暮らしが増えているが、隣近所のコミュニケーションが良くなり孤独感はない。また、近所付き合いが頻繁になったため互助の精神が育まれお互いに助け合って生活している。
2-3.社会活動への意欲
□社会参加への意欲
 ・60歳以上の高齢者の70%がグループ活動参加希望
・高齢者は何らかのグループ活動に参加している。特に生涯学習や趣味的なサークルへの参加は生きがいとなっている。
2-4.就業
□高齢者の雇用推移
 ・定年到達者のうち7割以上が継続雇用されている
□労働力人口の推移
 ・労働力人口総数に占める高齢者の比率は大きく上昇
・ 健康寿命が延びて改正高年齢者雇用安定法で2025年までに希望者全員の継続雇用が65歳まで義務化されたことにより働く意欲のある高齢者は就労している。就労環境もユニバーサルな環境が整備されている。現役世代が少ない分高齢者は自助努力している
2-5.経済状況
□高齢者の経済状況/貯蓄の目的
 ・暮らし向きに心配のない高齢者は約7割
 ・貯蓄の主な目的は病気や介護への備え
・ 高齢者の多くは就労しているので公的年金等に制限はあるものの暮らし向きの不安は減少している。また、介護が必要になった場合のケアシステムも確立されているためかつてほど貯蓄に関心がなくなってきている。
3. 加齢研究の視点
1.身体に生じる加齢現象
 ・安全のための工夫。快適さや生きがいへの工夫
2.こころと知能の加齢現象
3.社会生活と加齢の関係
4.社会の仕組みと高齢化の関係
・ 街づくり、住宅、交通手段等高齢者が安全かつ 快適に暮らせるような工夫がなされている。また、生きがいを持ち健康で暮らし続けられるようなライフスタイルが定着しつつある。
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2.Aging in Placeの条件 2030年の超高齢社会の「あるべきシーン」
1.社会インフラ
□安心・安全な暮らしを可能にする街・家
・住み慣れた地元で、住まい方の変化に応じて最適な住宅が選択できる。
・街全体に活気があり、高齢者や障がい者にとっても安全で便利な移動や生活ができる環境(エネルギー)に配慮したスマートシティが確立されている。
1.生活
2-1.自立した生活が可能

□健康維持
 ・いつまでも健康で活躍できる身体・心
□社会参加
 ・社会活動に参加し頼れる友人づくり
・健康づくりのための環境が整備されていて、自立した生活が維持できるよう介護予防も充実している。食と栄養を中心に常に個人の健康が管理されている。
・地元においても生きがい就労が可能で、生涯学習や趣味
・スポーツを通じた社会参加が積極的に行われている。また、コミュニティが充実し若い世代に高齢者の価値が認識されている。
2-2.介助が必要になった場合でも住み続けられる
□生涯、自宅で暮らせる医療・介護システム
・ICTを活用した医療情報ネットワークが充実し、2025年からの地域包括ケアシステムが機能し始めて在宅医療・訪問介護が主流になってきている。また、福祉機器の充実及び高度化と相まって介護度の維持改善が図られている。
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3.空き家問題 2030年の超高齢社会の「あるべきシーン」
1.2030年の空き家率20~30%
□中古住宅として活用
□コミュニティ施設として活用
□解体撤去
・新規の施設用地
・緑化・公園・市民農園等に活用
・空き家情報がシステム化され住み替えの中古住宅市場が形成されている。買い手のない案件は産官連携のエリアマネジメントによりコミュニティ施設として活用されたり、解体撤去して新規の高齢者施設等の用地や公園、市民農園として活用されている。
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